++生物岩(せいぶつがん) [ 日本大百科全書(小学館) ]

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【生物岩(せいぶつがん)】
organic sediments
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 生物遺骸(いがい)からなるか、またはその生活作用が関係して形成されたと考えられる堆積(たいせき)岩の総称。構成物質の違いから、石灰質、珪(けい)質、炭質および鉄質の生物岩に分けられる。

 石灰質のものとしては、石灰質の生物遺骸が岩石の主体をなしている化石石灰岩がある。含まれる化石により、たとえば貝殻石灰岩、ウミユリ石灰岩、サンゴ石灰岩、有孔虫石灰岩フズリナ石灰岩などとよばれる。また北フランスからイギリスにかけて分布するチョークは、石灰質の単細胞生物の遺骸が多量に集まったものである。
 珪質のものでは、放散虫や珪質海綿の骨針が集まってできたチャートや、珪藻の殻からなる珪藻土がある。
 炭質のものは植物からつくられた石炭であり、鉄質のものはバクテリアの作用が関係してつくられた鉄鉱層である。

 石灰質および珪質のものは不燃性生物岩、炭質のものは可燃性生物岩とよばれることがある。またグアノとよばれる燐(りん)鉱床は、海鳥の排泄(はいせつ)物が多量に堆積し固化したものである。


[ 執筆者:斎藤靖二 ]

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