「特攻隊…」ヨウ素飲ませ覚悟の命令 放水支援の大阪市消防局

「特攻隊…」ヨウ素飲ませ覚悟の命令
放水支援の大阪市消防局

産経新聞 3月25日(金)14時52分配信
 
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 東京電力福島第1原子力発電所東京消防庁の放水活動を支援した大阪市消防局の幹部隊員3人が24日、同市役所で会見。現場に突入する隊員に、放射性物質の体内蓄積をある程度防ぐ「ヨウ素剤」を自ら飲ませたエピソードなどを披露し、「自分が代わりたかった」と危険な任務を命じた苦しい心境を吐露した。
 会見したのは、緊急消防援助隊の責任者を務めた千福好伸警防部長と、同原発の敷地内で支援活動をした木村忠彦警備方面隊長、片山雅義警防担当課長代理の3人。
 木村隊長は21日、同原発から南に約20キロ離れた前進基地で、3号機への放水支援のため現場に突入する隊員6人に、ヨウ素剤を口に含ませ水も飲ませた。
 「大丈夫か」。顔をのぞきこむようにして尋ねると、「大丈夫です」とはっきり隊員は答えた。この問答は、突入する隊員それぞれと3回ずつ繰り返された。「自分が行く方がずっと楽だった。祈るような、非常に苦しい思いだった」と木村隊長。
 ヨウ素剤は一度服用すれば、次は最低3週間以上先まで飲めない。
 「(突入に)一度投入すれば二度と使えない。まるで特攻隊員のようでした」と片山課長代理。自分の息子と同年代の東京消防庁隊員が、手を震わせながらも「任務ですから」と向かった姿も忘れられない。
 サイレンを鳴らし消防車両で同原発に向かう途中、道路脇で住民たちが感謝の気持ちをこめて深々とお辞儀をしてくれた。片山課長代理は「その姿を見て絶対にお役に立たなければと思った」と話した。