【緒方貞子】難民と歩んだ10年~緒方貞子・国連難民高等弁務官~2/4
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【緒方貞子】
(集英社新書)¥693
[Amazon レビューより転載]
現代世界が抱える課題, 2003/6/23 By hitoshii
UNHCR(United Nations High Commissioner for Refugees)として1990年から10年にわたり世界の難民問題に取り組んできた緒方氏を追ったNHK記者の著書。新書なので詳細な背景まで描写されているわけではないが、クルドからアフガン・イラクに至るまで難民・国内避難民問題の流れをつかむことができる。地図を傍らにおいて読むと一層理解が深まると思う。
緒方氏が、ノーベル経済学賞を受賞したアマルティア・セン博士と共に、共同議長として参加した「人間の安全保障委員会」の活動にも言及し、貧困・紛争・難民といった現代世界が抱える政治的・経済的・人道的問題をカバーしている。
◇ ◆ ◇
初めは、緒方氏の生い立ちや経歴が述べられている。
そして、緒方氏の主張や考え方やリーダシップの取り方などは、最後の方に集約されている。
そして、緒方氏の主張や考え方やリーダシップの取り方などは、最後の方に集約されている。
最後の方に述べられている緒方さんの考え方や行動力についての記載は何度も繰り返し読みたくなる。主に、アフガニスタンのテロに言及がされており、日本がどのように立場や政策をとればよいかなどが書かれている。
UNHCRの本質的仕事についても書かれていて、NGOなどに興味があり、それらに関係する仕事に就こうと思う人は読むべきだと思う。
全体を通じて、緒方氏の難民に対する熱い思いが伝わり、日本人としてどうあるべきか、また、グローバル社会の一人としてどういう考えを持つべきかなど考えさせられる内容である。