【もんじゅ】 「もんじゅは、兵器級プルトニウムを62kg生産した」か? (その1)

[転載]
62kg生産し”た”か?
(その1)
 
 
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2006/12/09
 (2006年)12月9日、「’06もんじゅ廃炉へ!全国集会」が福井県敦賀市白木浜と市内のプラザ万象で行われました。プラザ万象での屋内集会で槌田敦さんが会場発言として、 もんじゅは、兵器級プルトニウムを62kg生産した」 という内容の発言をなされました。以下はその際、会場内に配布された印刷物をOCRで読み取りテキスト化したものです。
 
 
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     もんじゅは、兵器級プルトニウム
     62kg(=原爆25発分)生産した
      日本の核武装計画に反対しよう
    2006年12月9日 核開発を憂慮する会(準)
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【誰もが論じない事実がある】
旧動燃は、「核開発に反対する物理研究者の会」の資料請求に対して、1994年11月4日、もんじゅと常陽について、次のようにFAXで回答した(核開発に反対する物理研究者の会通信第5号1994年12月号参照)。
 
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核開発に反対する物理研究者の会からの
質問に対する回答(要旨)
 
 
 【1.常陽において】

  使用済み燃料集合体数と集合体あたりの平均Pu量
(平5年12月末現在)
 

MK-1期において 
炉心燃料    116体 Pu量は2.0kg/体
径ブランケット 220体 Pu量は0.1kg/体(注)

(注、菊地部長のメモ(平5.3.31)では0.2kg/体)
 

MK-1期での径ブランケットのプルトニウム
240と241の密度分布(%)

            Pu-240 0.63%  Pu-241 0.01%以下
 
◇ ◆ ◇
 
 【2.もんじゅにおいて】

炉心燃料集合体
    99体 集合体あたりの平均Pu量 7.1kg/体
径ブランケット集合体
    69体 集合体あたりの平均Pu量 0.9kg/体

径ブランケットのプルトニウム240と241の密度分布
       Pu-240 2.4%   Pu-241 0.1%以下
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この回答から、
常陽ブランケットのプルトニウムは、
Pu-239同位体純度 99.36%、
 
もんじゅブランケットでは、
Pu-239同位体純度 97.5%
 
であり、これらは兵器級プルトニウム同位体純度96%以上)と比べて、最高級の兵器級プルトニウムであることが分かる。
その量は、
常陽では220×0.1=22kg、
もんじゅでは69×0.9=62kg、
合計は84kgである。
 
原爆を作るのに、兵器級プルトニウムが1発あたり約2.5kg必要とすると、日本はすでに30発分以上の兵器級プルトニウムを所有していることになる。

これらの重要な事実は、マスコミも、反核、反原発運動家もよく知っている。しかし、物理研究者の会以外では、誰もこれを論じて来なかった。
ところで、常陽はMK-1期を終えブランケットを外し、もんじゅは事故を起こしたので、現在はどちらも兵器級プルトニウムを生産していない。
 
 
【日本の核兵器製造計画の現状】
 イギリスのサンデータイムズ紙は、1994年1月30日、「日本はアジアで核競争を進めている」と題して、「日本は、濃縮(兵器級)プルトニウムを除いて、核兵器に必要なすべての部品を入手し、組み立てた可能性もある」というイギリス国防省の報告書を紹介した。
 
 この濃縮プルトニウムを、旧動燃は生産していたのである。
日本政府が、もんじゅの運転再開にこだわる理由は、これが増殖炉だからではない。もんじゅプルトニウムの増殖などできないことはすでに公知である。残る唯一の理由は、もんじゅがこの兵器級プルトニウムを生産する軍用炉だからである。
 もんじゅ裁判では、何故か原告はこの重要なことを争点にしなかった。
 
 
核兵器を作るには】
 もんじゅと常陽のブランケット燃料の中に兵器級プルトニウムがあるといっても、そのままでは、核兵器にならない。そこで、ブランケット燃料から兵器級プルトニウムを抽出する必要がある。
 
 旧動燃は、この再処理作業のために、リサイクル機器試験施設(RETF)という意味不明の名前を持つ、いかがわしい工場を東海再処理工場の付属施設として建設している。
 
 この施設は、総工費1000億円で、地下2階、地上6階という巨大なもので、高速炉用としては世界最大である。
 この心臓部は、遠心抽出器といって、大きさがわずか10センチ程度の遠心分離器であるが、これを旧動燃はアメリカ・エネルギー省から購入した。
 小さな装置が使われる理由は、この兵器級プルトニウムが臨界事故を起こし易いからである。
 この事実から明らかなようにアメリカはすでに日本の核武装を認めている。
 このRETFが完成すれば、常陽ともんじゅのブランケット燃料から兵器級プルトニウムを抽出して、イギリス国防省の報告書どおり、原爆が完成することになる。
 
 
【隠されている。そして隠している】
 ところで、このRETFは現在建設を中断しているという。その理由は東海再処理工場が爆発事故を起こしたからと説明されている。
 それもあるだろうが、政府は、まず、もんじゅの運転を再開して、継続的に兵器級プルトニウムを生産することから始めようとしているように見える。
 現在、この核武装計画が国民の眼から隠されたまま、日本は核武装すべきであるとか、ないとか議論になっている。
 
 これは時間稼ぎである。
 
 これでは、もんじゅが運転再開され、RETFが稼働した後、ある日突然、数百発の原爆で武装した日本が出現する。
 辛淑玉(しんすご)は、「何が報道されていないか。なぜ報道されないのか、それを知らなくてはならない」と述べている(『マスコミ市民』06.12)。核問題でもその通りである。そして、反核、反原発の運動家たちは、このもんじゅ核兵器の関係について、議論を何故避けてきたのか、それで良かったのか、と考え直す必要がある。

投稿日 2006/12/09 高速「増殖」炉問題
 
 
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[読者コメント]
もんじゅ』が核兵器級のプルトニウムって・・・それが何か、問題ですか?
 北朝鮮も核実験をするし、中国は原発核兵器開発と絡めて進めているのに、日本がプルトニウムを作って、何が問題なのですか。
 第一、核兵器なんてプルトニウムじゃなくてウランでも、十分造れます。
 ウランは良くて、中国・北朝鮮の核開発は良くて、『もんじゅ』のプルトニウムだけはダメって、どーゆー理屈ですか!?
投稿: さざなみ | 2007/01/20 21:53