【記者クラブ】とは?? コトバンク (知恵蔵2015の解説)

記者クラブとは??
  コトバンク (知恵蔵2015の解説)

官公庁などを継続的に取材する記者が、取材の便宜のための拠点として、共同の窓口として設けている組織。

記者たちの「任意の親睦団体」としての側面ももつ。

1890年の議会取材に始まる歴史をもつといわれるが、この組織が置かれている物理的スペース(記者室)を指すこともある。

これまで多くの官公庁が、取材の便宜を図るために、部屋や設備・通信施設等の無料貸与を記者クラブに行ってきた。

こうした便宜供与は合理的な理由を有するもので法の下の平等には反しない、というのが裁判所の判例であるが、近年は、外国報道機関やフリージャーナリスト等に対して排除的であるという批判が強まったり、また記者クラブだけへの便宜供与を廃止する自治体なども生まれている。

2001年5月に出された田中康夫長野県知事(当時)の「脱・記者クラブ」 宣言はその一例。

日本新聞協会は02年に見解を表明し、記者クラブを 「取材・報道のための自主的な組織」 と位置づけ、「国民の 『知る権利』 と密接にかかわる記者クラブの目的は、現代においても変わりはありません」とすると同時に、記者クラブをより開かれた存在にすること、記者室の重要性と応分の経費負担、記者相互の切磋琢磨の重要性などを指摘している。

(浜田純一 東京大学教授 / 2007年)