++キムチ(김치)


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●キムチ(김치)は白菜などの野菜を薬念(ヤンニョム)と呼ばれる薬味で漬けた、
朝鮮を代表する漬物。朝鮮漬とも。

一般的なキムチは唐辛子がふんだんに使われており、真っ赤な色が特徴的な大変辛い漬物である。

辛いだけでなく薬念と乳酸発酵による旨味と酸味が混じり合った複雑な味を持ち、非常に人気が高い。

●ただし本来、キムチとは朝鮮語で「野菜を漬けたもの」という意味であり、唐辛子の有無は関係がない。
唐辛子やニンニクを使わないキムチもある。

文献上キムチがはじめて登場したのは13世紀初頭、李奎報の詩においてだが、少なくともそれ以前から存在していたと考えられている。

16世紀、朝鮮半島に唐辛子が伝来し、現在のように赤く辛いものが作られるようになった。
唐辛子の普及以前においてはもっぱら山椒が使用されていた。


【種類】

イメージ 2ペチュギムチ(배추김치)
白菜のキムチ。単に「キムチ」と称した際はこの白菜キムチを指すことが多い。
19世紀に中国から新品種の白菜が輸入されてから一般的になった。


イメージ 3オイギムチ(오이김치)
胡瓜のキムチ。


イメージ 4カクトゥギ(깍두기)
大根のキムチ。カクテキとも。大根を六面体で切って作る。


イメージ 5ムルギムチ(물김치、水キムチ)
唐辛子、ニンニクを使わない、汁気の多い白いキムチ。汁ごと食べる。
ムルギムチの汁は冷麺の汁には欠かせない。


チョンガーキムチ(총각김치)
チョンガー大根(小型の大根)のキムチ。
「チョンガー(総角)」とは、「未婚の男性」のことで、「チョンガーキムチ」とは、
独身の男性でも食べられる量のキムチ、というのがモトの意味かもしれない。

●ポサムキムチ(보쌈김치)
開城地方の名物。生のイカや牡蠣などを白菜の葉で包んで漬ける。
保存がきかないため二、三日で食べきらなくてはいけない。

●ヤンベチュキムチ(양배추김치)
キャベツのキムチ。白菜の手に入りにくいヨーロッパなどへ移住した朝鮮系住民によって
よく作られていた。