++追悼:「断崖に立つ女」喜多圭介氏

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先月末の2月25日、ブログで知り合った喜多先生が、病気のため亡くなった。
仕事にかまけるあまり、2週間も日をおいてしまったが、追悼に代えて、「断崖に立つ女」への書評を再掲する。

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【断崖に立つ女】喜多圭介著
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単行本: 272ページ
出版社: リトル・ガリヴァー
刊行 :2008/7/28

http://www.amazon.co.jp/%E6%96%AD%E5%B4%96%E3%81%AB%E7%AB%8B%E3%81%A4%E5%A5%B3-%E5%96%9C%E5%A4%9A%E5%9C%AD%E4%BB%8B/dp/4903970159/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=books&qid=1236706929&sr=1-1
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「あの男は何故、死んだのか。
あの男は何故、死ぬのか。」

【男たちはいつだって女の知らぬうちに
さっさとどこかへ歩き去ってしまう・・・。】


●悲しい離婚の末「自分探しの旅」をする関山瑤子は、

女面打ち師・今里幽花の門を叩く。

彫刻を通して人間の真実に迫ろうと試みる瑤子は、

能面を通して人間界の苦悩を彫り出そうと苦しむ近藤昌克に出会う。

だが近藤は、「般若」に魅入られるかのように越前岬から身を投げてしまった・・・。

●近藤の忘れ形見「真美」が大学を受験する年齢に達した頃、

瑤子の前に不思議な男が現れる。

娘を喪い、妻をも失ったその男・本宮は、瑤子の胸裡に残るあの情感を蘇えらせた・・・。


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越前、京都、隠岐と、美しい風景に囲まれながら、人物たちの心情が時とともに深まってゆく。

派手な仕掛けこそないが、情感にあふれ、読む者の胸裡に湖水を満たしてゆくような語り口に好感が持てる作である。

結ばれつつも、「魂の一致」を迎えることの出来ない男と女の性が、印象深く描き出されていると思う。

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【喜多圭介のオフィシャルブログ 】
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http://blogs.yahoo.co.jp/ki1ta2



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