【四診】

★し‐しん【四診】
(小学館大辞泉」より引用。) 
漢方の診察法で、「望診・聞診・問診・切診」の四つ。
 
①ぼう‐しん【望診】 
顔色・舌の色・肌のつや・肉付きなどを目で見て診察する方法。現代では、姿勢や歩き方まで含めて診察することもある。
 
②ぶん‐しん【聞診】 
患者の口臭・体臭・分泌物の臭気をかいだり、音声・呼吸音・腹部の異常音などを聞いたりして診察する方法。
 
臭いや味は、嗅いだり・見たりもするが、"きく"と表現することもある。"味きき"などは現在も使われる言葉であり、漢方では"糞尿の味きき"までも含めた懇切な方法が採られることもあるそうだ。
より身近な例では、前日に飲食したものの種類によって排泄物の臭い・色・硬さなどが変化することが挙げられる。尿は酒を飲みすぎると泡立つし、糖分を採りすぎれば甘い臭いが混ざる。ビタミンを多く摂取すれば黄色くなる。
 
③もん‐しん【問診】 
本人や家族の病歴、現在の病気の経過・状況などを尋ねること。

 
本人一人の症状だけでなく、血縁・同居者まで含めた「家族全体の身体の特性」を考慮することで、更に適切な治療・予防を行うことができる。
仮にDNAによる科学的な診断技術がなくとも、この考え方を活用すれば、家族全体の医療に役立てることができる。
 
④せっ‐しん【切診】 
漢方で、触診のこと。

上記した「脈診・腹診」などは、切診(触診)である。
中医学(現代中国医学)の脈診は、現代日本医療の「脈をとる」よりも、脈動・強弱について更に詳細な診察をする。
腹診は、中国医学をもとに日本で発展した独自の診察法である。