【竜骨車】

[治水]
【竜骨車】
 
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【竜骨車】刈谷市郷土資料館蔵。
右の写真は、側板(がわいた)を取り外し、中が見えるようにした展示物。
 
 
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左:チェーン部分がよく見える。      右:竜骨車の模式図
 
 
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左:チェーンのパーツ。
右:駆動輪とチェーンの接し方。
軌道は樋(とい)の幅によって固定され、安定する。
 
 
りゅうこつ‐しゃ【竜骨車】
《形が竜骨に似るところからいう》揚水機の一種。長い樋(とい)の中にベルト状の軌道を設け、そこに取り付けた多数の板を循環させて水を高所に上げる装置。中国から伝わり、江戸前期、近畿地方の農村で広く使われた。りゅうこしゃ。りゅうこし。
 
 

【竜骨車】(りゅうこつしゃ)
 中国、三国、(ぎ)の馬鈞(ばきん)が考案した揚水機。翻車ともよばれる。
 
 下端を河川に浸して斜めに置かれた細長い箱形の樋(とい)の中を、つながって輪になった木の鎖(自転車のチェーンのようなもの)に多数の木板を取り付けた「竜骨」が移動し、各木板が次々に水をすくって岸の上に掻(か)き上げる。
 
 竜骨は、水平な回転軸の中央部に軸と直角に放射状に突き出た腕(チェーン・ホイールに相当)にかけられており、水平軸の回転とともに順次移動する。
 水平軸は、人が手や足でペダルを動かして(足で踏むタイプを踏車という)、あるいは水平軸に歯車を取り付けて回転の向きを直角に変えてウシや水力で回転させる。
 
 中国では現在も江南地方などで使われ、日本でも滋賀県などでは近年まで灌漑(かんがい)に使われていた。17世紀には西洋にも伝わった。
[ 執筆者:宮島一彦 ]
 
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