【長崎型原爆】 # 世界史トレカ
[再掲]【長崎型原爆】 #世界史トレカ
『第二次世界大戦末期の1945(昭和20)年8月9日(午前11時02分)、アメリカ軍が長崎市に投下したプルトニウム爆弾。
コードネーム「Fat Man」。』兵器級ウランの濃縮に比べ、兵器級プルトニウムの精製は(相対的に)容易である反面、過早核爆発(早発)や自発核分裂など、扱いにくい面もあり、圧縮用火薬を特殊な編成にした「爆縮レンズ」によって瞬時に高効率の核分裂を起こす仕組みとなっている。』
●目を背けずに見てほしい。
日中戦争・太平洋戦争等における日米のやり取りの問題もあるものの、アメリカ合州国は、太平洋戦争の早期終結と、戦後に訪れるであろう共産圏との核開発競争まで見越した上で2種類の核兵器を実戦使用したのである。
●長崎型原爆の流れをくむ現在の核兵器は、比較的生産が容易なプルトニウム爆弾の核分裂を、重水素(デューテリウム)と三重水素(トリチウム)との核融合で放出した高速中性子で強化する「ブースト型核分裂兵器」というタイプが一般的で、この技術があれば、「原子炉級の純度の低いプルトニウム」でも核兵器を作ることが可能なのだそうだ。
このような現状を見るに、ヒロシマ・ナガサキの核兵器使用には、「実戦における核実験」という側面が皆無であったと言えるだろうか???
■[用語]
「過早核爆発(早発)」:核分裂がまだ十分でないうちに爆弾本体が壊れてしまうこと。
「自発核分裂」:核兵器の核分裂に必要なプルトニウム239に、極めて不安定なプルトニウム240が少量混在することで、必要の無いときに核分裂が始まってしまうこと。
「爆縮レンズ」:「早く燃える火薬」と「遅く燃える火薬」とを組み合わせることで、火薬内にレンズのような効果が発生し、爆発による圧力が、均等、且つ瞬時にプルトニウム・コアに伝わる仕組み。
●このように、常人には思いつかないような技術や思想によって、今なお多くの核兵器が保有され、世界の国々は各々、国際社会での生き残りや拡張などをかけてせめぎあっている。
もしも核兵器が使われたとき、あるいは、原発事故等で放射性物質が漏洩したとき、もっとも過酷な運命に遭遇するのは私たち一般市民である。
私たち市民は、ただ指をくわえて自らの身が業火に焼かれることを受け入れなければならないのだろうか??いや、国際社会と比べれば極めて小さな存在でしかない私たちにも、何かできることがあるはず。